パパ育休 – 180日間の育児奮闘記
ここ数年、様々な場面でよく耳にする「SDGs」「サステナビリティ」。
言葉は知ってはいても具体的な内容はあまり知らず、「大企業が取り組むもの」「環境に関心のある一部の人たちが取り組むもの」と、自分の中で勝手に位置付けていたのかもしれません。そういえば、コンビニで買うアイスコーヒーのストローがプラスチックから紙に変わったり、レジ袋が有料化されたりと、「不便だな~」と思いながらも、「こういう時代だからね~」としょうがなく受け入れる・・・、といったさまでした。
しかし、我が家にもあるきっかけで、ついに環境問題に取り組む日がやってきました。
我が家では毎年、静岡の南伊豆に出かけています。水質がとても良いきれいなビーチで、毎年遊ぶ子供たちはもはや近場の海には入れないといった具合です。
いつもお世話になっているゲストハウスで、朝食を食べているときでした。
「食事が終わったら、これでお皿を拭いてね」とご主人が新聞紙とスプレーボトルを置き、「新聞紙をくしゅくしゅってやって、お皿の油をある程度ふき取ったら洗剤をシュシュっとかけて、また拭いてね」と子供たちに教えてくれました。
「すごーい、これだけできれいになるんだね~」と子供たちも興味津々な様子。
「洗剤で拭いたら、さっと水で流すだけなんだけど、この洗剤、海に流しても成分が分解される環境にいい洗剤だよ。海が汚れないようにね~」とのこと。
「へえ~洗剤だけで全然違うんだ、しかも排水のこととか考えたことないな~」と私も興味がわいてきました。「環境にいいし、しかも食器洗いも楽になりそう!!」
そして何より、きれいな海を目の前にして「ずっときれいな海であってほしい!その為にうちも!!」という思いがもくもくと湧き上がってきたのでした。
早速、家に帰ってから洗剤を新しく調達しました。
スプレータイプのものとキッチンに置くタイプのもので、どちらも環境に配慮した洗剤です。ゲストハウスで教えてもらったようにまず実践!しかし我が家は新聞を取っていないので新聞がない!とそこで気づき、キッチンペーパーで代用しました。が、さっと拭くだけなのにかなりの紙を消費してしまい「紙をムダにしているな…」と気になり・・・、それからは会社から用済の新聞紙をいただくことにしました。
あらゆるお皿や調理器具などの汚れをまずは新聞紙で拭き、その後スプレータイプの洗剤で拭いたあと、さっと水で流す。このように始めはしましたが、新たな疑問が・・・。とにかくお皿の汚れを拭きまくり、油分を含んだ水分(煮汁とか)も一緒に新聞紙に含ませたりしていたら、瞬く間に我が家の「燃えるごみ」の量が増えたのです。 「環境のために始めたのに、ゴミが増えてこれって本末転倒か・・・」、と気になって燃えるごみについて調べたところ、水分の多いものを燃やすと処理機の温度が下がって無駄な電力を要して、逆に環境負荷がかかるのだそうです。その為、汁物などの残りも大量の紙にしみこませるより、流した方がいいらしいという情報も入手しました(諸説あるようですが)。
また、拭きっとった新聞紙を少しでも減らすためゴムベラを使ったりするものいいらしいです。食器洗い一つとっても、やり方を変えるだけでこんなに疑問が出てきました。
このようにごみ処理についても私が知らないことがたくさんありました。そういえば、以前子供が「ペットボトルは潰しちゃいけないんだって」と言っていたことを思い出しました。まさに小学校では「ごみ処理」についての勉強があり、子供はごみ処理センター見学に行っていましたので私よりずっと詳しいのです。自治体によっても少し違うようですが、ペットボトルについては我が家の地域は潰さない方がいいらしく、潰れたペットボトルだと粉砕に余計な手間がかかるようです。しかし、潰さないとかさばって週1回の回収まですごい量になり、これはうちではできないと断念。これがきっかけで少しゴミや資源の分け方も変えてみようと思い、今まで燃えるゴミと一緒にしていた紙ごみを古紙に分けたり、食品トレーや紙パックなどせっせとスーパーの回収ボックスへ持っていくことをはじめました。
こんな調子で、今も継続している我が家のエコ活動ですが、やっているうちに「これは私なりのSDG‘sというやつだ!」と気づきました。SDG’sには17の開発目標があるそうですが、これに自分自身の生活に当てはめるとこうなります。
油をふき取り、排水に配慮している。節水している → 「安全な水とトイレを世界中に」
ゴミ分別を正しく行う。マイバックを使う。環境にやさしい製品を使う。→「つくる責任 つかう責任」
マイバックを使う(ビニール袋を使わない)・プラスチックストローを使わない→「海の豊かさを守ろう」
電気をこまめに消す、節約する → 「気候変動に具体的な政策を」
極力残業しない、有給休暇を取得する → 「生きがいも経済成長も」
ひとつひとつが本当に日々のささやかなことばかりで、これが本当に海洋問題やら水質汚染の改善に役立つものなのか、正直「やっても意味がないのではないかしら」と思いながらやっていることもあります。しかし、言葉はあまりよくないけれど、少しの「自己満足」はあります。日々の中で、少しだけ「ちょっと良いことしてるかも、私」とこっそり思うだけで良い気分になるし、自分が興味をもって始めたことによって、他のことも気になり始めて、広がっていくことが「楽しいな」と思い始めてきました。
そして何と言っても、しょっちゅう揚げ物をしている揚げ物好きの家としては、シンクや排水溝が劇的までともいかなくとも、「以前よりあまり汚れてない、ヌメヌメぎとぎとだったのに、汚れが減ってる気がする!」とか、「洗剤を節約している!(油をふいているから)」という密かな喜びもあるのです。
家事やゴミ処理などについては、すでにたくさんの方たちが当たり前のように取り組んでいることかもしれないけれど、今までまともに考えたこともなかった自分が、些細なきっかけで考えたり実践したりすることが、意義があることだと感じています。そして、始めるきっかけは、自分が好きなものや趣味などに通じたものであると、とても身近に感じることができて続けやすいと思っています。私の場合は、海(きれいな海を持続させたい)や山(毎年スキー場に行っても雪が無くて温暖化かな?)などが少し環境を考えるきっかけとなりました。まずは自分にできる範囲のことを無理なくストレスを感じず、むしろ自己満足でいい気分になれる程度で続けていくこと、また、方法ややり方など簡単にインターネットなどで検索できる便利な世の中ですが、実際過剰な内容や怪しい情報もあり、その中で正しい情報を選択すること。この2つが大切だと思っています。
継続は力なり!塵も積もれば山となる!
これをモットーに、日々せっせと食器の油を落としたり、ゴミを分別している我が家です。