パパ育休 – 180日間の育児奮闘記
最近、国内のゴルフ人気が高まっているという。
2020年の日本人女子プロによる海外メジャー大会制覇に続き、2021年4月、日本人男子プロが史上初めてマスターズ優勝という快挙を成し遂げたこともあるが、どうやら日々私たちを悩ませているコロナウィルスも人気後押しの要因になっているようである。
ゴルフは “3密”を避けられるスポーツと言われ、夜の会食場所を失った私を含む多くのアマチュアゴルファー達が持て余した時間とお金がゴルフに注がれているのかもしれない。
現にゴルフクラブメーカーに勤める知人によると、近年にないくらいゴルフクラブの売れ行きが良いと言う。近頃は週末のゴルフ場の予約がなかなか取りづらいという話も聞く。ゴルフ場の駐車場一杯に停まる車列を見ると、確かに活況を実感するのである。
特に最近の週末のゴルフ場では、始めたばかりと見られる若いゴルファーの姿を男女問わず見かけるようになった。近年、若者のゴルフ離れが叫ばれていた中で、このご時世だからこそ始めてみようという事であれば、一(いち)ゴルファーとしては喜ばしい限りである。そんな若いゴルファーを見るたびに思い出す私の好きなゴルフの格言がある。
飛距離が自慢の幼稚園
スコアにこだわる小学生
景色が見えて中学生
マナーが厳しい高校生
歴史が分かって大学生
友、群れ集う卒業式
出処ははっきりしないのだが、ゴルファーの成長過程を表現したもので、自分たちの現在位置を知る指標としてみると非常に的を射ている言葉だと思う。決して始めたばかりのゴルファーを揶揄するものではない。
そのステージを極めようとする者、己の限界を感じてステージアップを躊躇する者、人によって様々ではあるが、それぞれが異なったテーマや楽しみ方を持ちながら集えるスポーツであり、決してスコアの優劣ばかりを競っているのではないのである。
私自身、ゴルフを始めて数十年経つが、格言スゴロク上の幼稚園、小学校生活がとても長かったし、現在もなお小学生気分が抜けない中・高校生くらいであり、卒業式には永遠に出られそうにない。
顔見知りのプレーヤーたちがどのステージにいるのか考えるだけでも楽しいのだが、私がこの格言を気に入っているのは、仕事に置き換えてみても共通する部分があるところだと思っている。
周りが見えずただがむしゃらに仕事をしていた時期や、目に見える成果だけに拘っていた時期もある。勿論職種によってはそれらを極めることを求められるが、管理部門に携わっている私の場合は裏方仕事が多く、組織全体が最大限の力を発揮するためには何が必要かを追及したり、皆が協調していくための環境を創ったり、会社の根底に流れる創業時からの信念を大切にしようと考えたり…、と常に自分の役割を意識して周囲に目を配らせている。振り返れば多少なりとも培った経験や過ごした時間と共に仕事に対する向き合い方が変化してきたことを改めて実感している。
前述の格言に当てはめるならば、私自身は飛距離やスコア自慢で終わらず、いつか苦労を共にした仲間たちと笑い集えることを目標に、まずはこのコロナ禍を乗り切りたいと切実に願っている今日この頃である。