パパ育休 – 180日間の育児奮闘記
不動産営業を仕事とする前、私は教師を目指して学生生活を送っていました。
教職課程を履修する傍ら、塾の講師をしながらモノを教えることを学び、教育実習を経て中学校・高等学校の教員免許を取得しました。当時を振り返りつつ、“私”について少し話をしたいと思います。
「わかんない!」ときこそ腕の見せ所
学校の「先生」といえば、教壇に立ち、自分の専門の教科を子どもたちに教え、授業を通して勉強の楽しさを彼らに伝えるのを思い浮かべると思います。当時の私も、子どもたちを前に英語の授業をしていました。授業をしているときの子どもたちの反応は様々で、一生懸命理解しようと話を聞いている子もいれば、淡々と受けている子、中には眠たそうにウトウトしている子(笑)など本当に様々。十人の子どもがいれば、その表情は十色だなと感じるほどです。
そんな中でも、「先生、わかんない!!」と声高に訴えてくる子や、声には出さずとも「先生…何言っているのかさっぱり…」という表情で訴えてくる子もいます。子どもの反応というのは正直で、あまりに直球な反応に、準備をしてきたことが伝わらずに、思わずガックリすることも…。でもそこからが先生の腕の見せどころ。
その子がどこにつまずいているのか、何を難しく感じているのか探りつつ、手を変え品を変え、繰り返し説明していきます。(授業中では、なかなか全て説明できないことのほうが多く、そういったときは授業後に付きっきりになることも・・・)すると、ふとしたきっかけで表情がぱっと明るくなり、「そっか!わかった!」と一言。そこからは勉強に対するモチベーションが急上昇し、自分からどんどん覚えようと熱心に取り組みます。後日同じような問題ができるようになってくると、嬉しそうに「先生できたよ!」とどこか得意げに伝えてくれます。その瞬間こそ、時間をかけて教えていてよかったなと感じる時で、教えることの楽しさとやりがいを感じていたものです。
場所は違えど大切なものは変わらない
そんな経験をしてきたからか、不動産営業の仕事をするようになってからも、私はお客様一人ひとりの表情を大切に営業しているのだなと、教師を目指していた頃のことと重ね合わせながら感じることがあります。
あるお客様を、いくつかの物件をご案内していた時のことです。事前にお客様からご購入物件の希望や条件をお伺いし、「これなら気に入っていただけるのでは」と思うものをいくつかご紹介し、実際にお客様をご案内しました。物件によって、それぞれ違った特徴があり、どれも魅力的なので「ここ良いですね」とお客様もおっしゃってくださいます。でも、どこかまだピンと来ていないようなご様子。
そんな中、ご案内したとある物件の玄関を開けた瞬間、どこかなんとなく曇っていたお客様の表情が一変。お客様自ら「こっちの部屋は?」「え、これは何?」とどんどんお部屋の中をアトラクションのように進まれ、その時のご様子はとても楽しげでした。結果的にお客様はその物件をご購入され、お引渡しまで無事に終えることができました。お引渡し直前に、お客様から「ここに住むのが楽しみです!」というお言葉をいただき、私は自分の事のように嬉しかったのを覚えています。
とは言え子どもたちを教えていた時とは違い、実際にお客様の表情から「ご納得されてないな」とか「あまりヒットしていないな」と感じることがあっても、それでは次にどうしたらいいかという「引き出し」が20代の自分にはまだまだ少ないのが現状です。だからこそ社内の先輩方を見習い、積極的に教えを乞い、がむしゃらに日々試行錯誤しているところです。
先輩方の教えを聞いている時の私の表情は、当時の目を輝かせながら熱心に授業を聞く生徒に匹敵しているはず!
「お客様の求めている少し先へ」気配りができる営業マンを目指して。