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コラム Column

不動産という仕事、実は…

実は地味な作業の積み重ね

不動産を扱うことは、私たちにとっては日々、当たり前の仕事だが、一般的に実態と違ったイメージで捉えられていると思うことが多い。

たとえば不動産業者、特にビルや事業用地を売買しているとなれば、お買い得物件を探し、できるだけ高値で売る。ちょっと大げさにいえば、そんなイメージをもっている人もいるように感じる。

バブル期ほどではないとはいえ、やはり不動産といえば大きな金額が動くもの。社内外から信頼を集める当社営業マンは言う。

「個人が扱えるものの中で、一番金額が大きい現物が不動産。億単位の物件を自分で買い付けて、手を入れてお客様に手渡す。その流れのすべてを自分で担当できる。そんなやりがいに惹かれて不動産業に入りました」。

この言葉を聞いて「やっぱり儲かる華やかな仕事だ」と思ったら大間違い。「買い付け」「手を入れ」「お客様に手渡す」そのすべてが、とてつもなく地味な作業の積み重ねなのだから。

土地の測量に何十件の許可が必要だったり、私道にまつわるトラブルがあったり、建物の違法性を解消したり、こういった課題をクリアするのも不動産業者の仕事だ。

買った物件が様々な法令をクリアしているかどうか、判断が難しい場合もある。そんなときは第三者機関の審査を仰ぐ。1回の審査では済まない場合もある。そんなことも、時間も手間もかかる地道なやりとりのひとつ。

実は金額がものをいう世界じゃない

たとえば不動産の買取。他社と競合することも少なくない。いい物件、欲しい物件であればあるほど競合するわけだが、そんなとき、どうするか。

答えはケースバイケース。売主、間に入る業者や代理人、紹介者など、関係者の考えや、関係者と当社との関係による部分もあるし、競合との関係やその目的など、何がどう作用してくるかわからない。

だから状況を的確に判断し、この物件の場合はどうしたら事業化できるかを、一件ごとに考え、戦略を立てていかなければいけない。

たとえば先に登場した営業マンが、港区で人目をひくビルの売買を手がけたときのこと。

売主はその物件に深い想い入れをもっていた。売主自らの仕事の集大成として設計したビル。施工が難しい優雅なカーブを描く外壁、すくっと立ち上がっているように見える外観が印象的な建物だ。

競合がいたが、ビルに惚れ込んだ営業マンは先手先手で仕掛けていった。売主との事前面接もあったので、実績はもちろん熱意も語った。そこに売主の信頼する人物との偶然の縁が重なった。すっと道ができたように物件を売っていただくことができた。

「不思議だと思われるかもしれませんが、不動産取引には縁というものがある。うまくいく物件とは縁があるんです。それがどういう形かわからないし、気づかなければ見逃してしまうこともある。それをどう見出すか、どう自分のもとに手繰り寄せるかが勝負です」。

実は同業者同士、協力し合う

セントグランデWでは毎日物件の仕入れ会議がある。営業が見つけてきた物件を、営業部全員で検討する。さまざまな角度から意見を出し、検証して購入するか否かを決める。すんなり意見が一致する物件もあるが、白熱して会議が長引く日もある。

ポイントは私たちにあう立地やグレードの物件かということを中心に、いくつかある。けれど最終的には「勘」というのが一致した意見。経験やセンスから導かれる営業担当たちの感という頭脳やスキルが、会社の業績を、行先を決めていく。

そしてそのスキルのひとつに、同業者とのネットワークも含まれる。ライバル同士、相手を打ち負かし合っているように思われがちだが、これも違う。同じ物件をほしがる競合になることだってあるが、情報をやりとりするなど、協力し合える部分が多い。また、同業者とそういう関係を築けなければ、よい不動産売買を継続していくことはできないはず。

他社とウィンウィンの関係を築けること。これも不動産業者にとって大切なことなのだ。 どんな仕事にでもそれぞれの苦労はあるが、この業界ならではの特殊なケースも含め、スムーズにいかないことが当たり前の不動産業。その産みの苦しみの一端、だからこそのやりがいを駆け足で紹介した。それは当社の誰もが語りだしたら止まらない分野なので、また折に触れてお届けしたい。

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