パパ育休 – 180日間の育児奮闘記
コロナ禍で巣ごもり生活を余儀なくされる中、皆さんそれぞれのやり方でストレスを解消しようと試行錯誤していたかと思います。私自身、やはり外に出られないのは非常に辛く、外出欲を満たすためにたどり着いたのがヴァーチャルリアリティ、いわゆるVRでした。
一昔前に比べて技術も進歩しているため没入感が高まる上に、比較的低コストで始められるようになりました。私が購入した機種はいわゆるエントリーモデルに分類されるものです。非常に軽量でかつ各ユーザーの瞳孔間距離等の目の物理的特徴に合わせた調整機能などもあるおかげで、1~2時間程度の連続使用であればそれほど不快感を覚えることもありません。
さて、次にこのVRでできることが何なのかという話に移りますが、あたかも画面の中に自分が入ってしまったような感覚が味わえるということで、定番どころでいうと例えばリズムゲームや仮想空間での観光体験などを楽しめます。
特に後者は巣ごもり生活のストレス解消にはぴったりで、ピサの斜塔やサンマルコ寺院の塔を感嘆の声をあげながら見上げていました。夜空を見上げるのはもちろん、深海など通常は入れない場所を臨場感たっぷりで見ることができるのもまた乙なものです。
変わり種としては友人と同じVR空間で映画をワイワイ言いながら一緒に見るという楽しみ方も登場してきました。映画館を模した空間などもあり、なかなかユニークな映像体験ができます。
VRゴーグルだと重くてちょっとという方には、ARグラスという選択肢もあります。グラスというだけあって本当にサングラスのような小さな外観にも拘らず、より手軽にVRを体験できます。実態は拡張現実という似て非なる利用を目的にした製品ではありますが、両方を兼用できるように作られています。ARグラスは例えば空中に大きなディスプレイが複数あるかのように見えるように設定できますので、リモートワークに利用される方もいらっしゃいます。特にノマドワークをされる方には画面を覗き見られるリスクが減るので有用性が高いといえます。
とはいえ、傍から見れば虚空を見つめながらキーボードを打っているように見えますのでちょっと怖いかもしれません。
没入感や機体性能という面ではVRゴーグルに軍配が上がりますが、手軽さや実際使える場面ということを考えると個人的にはARグラスが良いと思います。スマホとARグラスがあればどこでも大画面で映画等が見られますので長距離移動のお供にも最適です。
と、ここまでさんざん持ち上げてきましたが、実際のところ現在VR・ARを含めたXR業界が成功しているのかというとなかなか判断が難しいところです。XRコンテンツの中でメタバースというものを耳にした方も多いと思いますが、その可能性を信じてFacebook社が社名をMeta社に変更したことは将来の明るい展望を世界に広めました。実際Meta社のXR関連製品の人気は高く、ゲームプラットフォームSteamにおける統計では、ここ数年間Steam内での利用シェア率は40‐50%を占めています。
しかし、メタバース部門の売り上げに関していえば、2023年第一四半期は前年同期比約50%減と振るわず、ネガティブなニュースも多い状況でした。
そんな中、Meta社から新製品Meta quest 3の、Apple社からは同社初のVRゴーグルであるVision Pro(価格を見る限り一般ユーザー向けではありませんが)の発表がありました。XR空間に自分の手足の動きをよりリアルに取り込むモーションキャプチャー機器も選択肢が増えてきています。そしてビジネスにおける利用も医業、建築業、製造業などで研究がすすめられ、一部では既に導入が始まっています。それぞれは小さな動きですが、全体を俯瞰してみるとXR業界における一つの転換点到来を予感させます。私自身、この波に乗ってというわけではありませんが、気になっている新商品があり散財してしまおうか悩んでいる真っ最中です。一方で型落ち品をお得に入手できるチャンスであり、また手に入れた機器を100%有効活用しようと思えば最新の高性能グラフィックボード搭載PCも欲しくもあり、と物欲が連鎖して止まりません。お財布と相談しながらちょうどいいラインを探してみようと思います。
ちなみに現在は量販店等でもXR機器を実機で試せます。皆さんもぜひ実物に触れることで、XRという新しい底なし沼をのぞき込んでみてはいかがでしょうか。